前史・背景
1 インダス文明(B.C.2500〜1000年) アーリア文化 アーリア=高貴な @遊牧民→農耕(インダス川流域で) A宗教的民族 バラモン=僧侶階級 2 ウパニシャッド(秘義) 梵我一如 梵=宇宙の究極原理 我=個体の究極原理
ブッダの生涯
1 出生 北インドの小都城国カピラ 父:シュッドダーナ(浄飯王)…釈迦族の族長 母:マーヤー ゴータマ・シッダールタ ブッダ(Buddha)=悟りを開いた者(覚者) 2 出家 老・病・死→この世ははかないもの 聖者「苦しみも老いも死もない至福の境地を得るため」 3 二人の師 アーラーダ・カーラーマラ 「無所有処」(物にとらわれない心境) ウドラカ・ラーマプトラ 「非想非々想処」(考え自体や、考えぬということにとらわれない境地) 4 苦行 ヒンズー教 輪廻:霊魂の転生 業:輪廻転生を支配する法 梵我一如=解脱:輪廻からの脱却 6(7)年間の苦行(断穀行)→悟りを開けない 5 成道(abhisambodhi)=完全に悟ること 無明(avidya)=我に対する無知と執着
教説
1 梵天の勧請 思考の領域を越える縁起の法は理解しがたい →法を説くように梵天が説得 2 縁起(仏教教義の基調) 四法印 @一切皆苦=世の事象は有限であり、相対的である A諸行無常=花は散り、人は老い、必ず死ぬ B諸法無我=因縁生起により、永続すべき実体はない C涅槃寂静=我執を去れば、静かな境地が訪れる ※
@を抜かせば、三法印 3 四諦(真実)説――初転法輪 @苦諦=存在は苦である 四苦:生苦、老苦、病苦、死苦 八苦:愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦 A集苦=苦の原因に関する真理:仮の姿を現じ、ものとして集合 苦を招来する原因は渇愛(自己中心的な愛欲)であり、渇、無明 (真理に対する無知)から来る B滅諦=苦を消滅させた悟りに関する真理 「涅槃(nirvana)」 C道諦=悟りに到る修行方法に関する真理 4 八正道:実践徳目――実践哲学 @正見=正しい見解(反省) →理性の鍛錬 A正思惟=正しい思考(使命) B正語=正しい言葉(発言) C正業=正しい行為(道徳) →意志の鍛錬 D正命=正しい生(秩序) E正精進=正しい努力(精進) F正念=正しい思念(懺悔) →情緒の鍛錬 G正定=正しい禅定(瞑想) ※
正しい=自他の成仏に沿う 5 六波羅密道説 @布施波羅密=ものと心を人に施す;内 A持戒波羅密=心と身体を清く保つ;外 B忍辱波羅密=効果が見えなくとも忍耐する;内 C精進波羅密=成仏に向かい常に励む;外 D静慮波羅密=心身を安定させる;内 E智慧波羅密=ものを正しく見る;外 6 教団 サンガ=和合と戒律により保たれる同信の集合 @四種サンガ 出家・在家の男女の修行者 =びく、びくに、うばそく、うばい A五種サンガ 二年間の見習いの女性修行者を加えたもの =しきしゃまな(学法女) B七種サンガ 見習いの男女僧を加えたもの =しやみ、しやみに 7 在家の五戒 不殺生、不偸盗、不邪淫、不妄語、不飲酒 8 女性観 女性:罪悪視や不浄視していない 性関係を危険視→淫欲:毒蛇 9 仏の種類 @釈迦如来:世界を正しく導く A文殊菩薩:知恵を授ける B普賢菩薩:仏の教化を助ける C阿弥陀如来:死後、西方浄土に迎え入れる D勢至菩薩:知恵の光りで悪から離れさせる E観世音菩薩:慈愛で民を救済する F薬師如来:病や災いを取り除く G月光菩薩:薬師如来の補助 H日光菩薩:薬師如来の補助 I大日如来:万物を照らす
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