住所:高知県室戸市元乙523

      宗派:真言宗豊山派

      本尊:薬師如来

      真言:「おん ころころ せんだり まとぅぎ そわか」

      詠歌:「往生に 望みをかくる 極楽は 月の傾く 西寺の空」

      縁起:大同二年(807年)、勅願により弘法大師が開基した寺です。本尊の薬師如来は弘法大師が刻まれたもので、現在まで一度も人の目に触れたことのない秘仏です。
海抜160mの山の上にありますが、室戸岬の最御崎寺と相対しているところから、最御崎寺を東寺、こちらを西寺と呼んでいます。昔は沢山の僧侶や修験者などがいた大きいお寺でした。
今から500年前の文明年間、火災のため焼け、再建されましたが、明治時代に再び火災に遭い、全焼しました。しかしすぐ又再建され、現在も諸堂備わる立派なお寺です。宝物館や鯨館も新しく建てられています。これらは西寺の檀家で、太洋漁業の南氷洋の捕鯨船の砲手となり、やがて会社の重役さんにまで出世した人が、鯨1万頭を捕った記念にこちらに寄贈したものです。
明治時代までは室戸沖でも沢山の鯨が捕れたそうです。よく、「鯨一頭、七浦栄える」と言われていますが、大漁の時には浜は大変な景気で、道行くお遍路さんにも鯨の肉を接待したそうです。ところがお遍路さんには肉類は禁物で、折角もらってもお大師様の手前食べるわけにいかず、民家に持って行ってお米と替えてもらったそうです。





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